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【黒バス】夢の中で【R-18】

第17章 12月20日




会場に入り周りを見渡すが征十郎の姿は見当たらなかった。


父の周りには仕事の付き合い絡みでたくさんの人が集まってきて兄もその人達に挨拶をしている。

なんとなく居づらくなり軽い挨拶だけ済ますと「御化粧なおしに…」とその場を 離れた。


パウダールームの前まで来ると

「ねぇ…」

と声をかけられ振り返ると静香さんの姿があった。

『…なんですか?』

少し嫌悪感を抱いた声色で返事をする。

「記憶なくなったっていうのに私への態度は変わらないのね。っていうか、いつまで水崎にすがるつもり?」

コツンコツンとヒールを鳴らしこちらに近づいてきた。

「跡継ぎが楓くんってのだけでもむかつくのにあなたまでついてこられると結構ウザいのよね。」

このような場所でこんな話をするなんてこの人には品性が欠けているな、と感じた。

『ついていくもなにも自分の父と兄なので。』

「その父親はあなたじゃなくて私をとったんでしょ?」

いちいちウザい女だな、こんなやつと言い争うのも醜いなと思い無視をしパウダールームへ再び足をむけた。


するとパッと腕を掴まれる。

「…話終わってないんだけど。…てかなにこれ?子供のおもちゃ?水崎の家って認識あるならこんな安っぽいプラスチックつけて来ないでよ。恥ずかしい。」

静香さんが指差したのはこの前征十郎からもらったネックレスだった。

無視をしようと一度は思ったもののやはり苛立ちは隠せず掴まれた腕をバッと振りほどいた。



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