第17章 12月20日
『…っ!これはっ!!「梓。」
反論しようとキッと彼女を睨むとそっと肩に手が置かれた。
『……征十郎…。』
その手の主は征十郎だった。
「梓、付けてきてくれたんだねネックレス。」
ニコリと私に向かって微笑んだあと身体を静香さんの方に向け
「こんばんは。はじめまして、ですよね?梓さんと同じ学校に通ってます。赤司征十郎と申します。」
と軽く会釈をした。
それに続け
「このネックレス、僕が誕生日プレゼントで贈ったものなのですが…これがあなたからみて安物だというのなら申し訳ありません。次はプラスチックだと言われないようにあなたのような人でも一目で価値がわかるものを贈りますね。」
と皮肉をこめた言葉を静香さんに告げた。
「…赤司さんのところの…。……梓と仲良くしてくれてありがとう。……私先に行くわね。」
征十郎には文句のひとつも言えないようで静香さんは会場の中へと戻っていった。
『…征十郎…なんかありがとね。』
「俺があげたプレゼントをバカにされたんじゃ流石に黙ってられないからね。」
ふふふと笑うと手をひかれ会場外の廊下に置かれたソファーに二人で腰を下ろした。