第17章 12月20日
12月20日。
パーティーの日になった。
学校から帰宅後、先日買ってもらったドレスで身を包み兄が予約してくれていたヘアサロンにいき髪をセットしてもらうと幼さは残るものの普段と違いすこし女性らしさが増した自分になった。
「梓、似合ってるよ!かわいい。」
兄とともに車に乗りパーティー会場へと向かう。
父親と継母とは会場で直接会う予定だった。
会場につくと自分と同じように着飾った紳士淑女、同い年ぐらいの子供もいた。
楓!と声がしそちらをみると手を軽くあげた父の姿があった。
その隣には見たことのない女性。
継母だろう。自分が想像していたよりも若い女性だった。
「父さん、お待たせ。静香さんも。」
兄が声をかけると継母はニコリと微笑むがその目はあまり笑ってはいなかった。
そのあとジロリを視線を私に向けると
「久しぶりね。まぁ私のことなんて覚えていないんでしょうね。」
と鼻で笑い背を向け父と腕を組み会場の中へ入って行った。
「…相変わらずだな、あの人も。…梓、いこう。」
『あ、…うん。』
静香さんの第一印象は私にとってあまりよいものではなかった。