第17章 12月20日
『征十郎は冬休み何か予定あるの?』
昼食を終え教室へと戻る途中征十郎に問いかける。
「部活かな…まぁお正月の三が日は流石にないけど親戚付き合いがあるからのんびりというわけにはいかなそうだね。」
名家の正月はなにかと大変そうだなと考えふーんと相槌をうった。
「…冬休みより前にさ、20日のパーティー、梓も来るの?」
『パーティー…?……あぁ。』
と兄がパーティーの話をしていたことを思い出す。
『お兄ちゃんが今度パーティーあるから一緒に参加してとは言われたけど…それかな?』
「多分そうだね…大人達の企業同士の忘年会みたいなものだよ。俺も一応参加するように…とは言われてるけど。」
家族連れでドレスコードありの忘年会…。
私の参加してきたものとは比べ物にはならないくらい品のあるものなんだろうな。てかそもそもそれ忘年会なの?
と想像するがその規模は計り知れなかった。
『この状態になってそういうの参加するの初めてだから…征十郎がいるって思うと少し気が楽になる。』
兄ももちろんいるのだが家族参加なら当然私が初めて会う継母もいるはずだ。
なんとなく嫌な気がしたのだが征十郎がそこにいることに安心感を得ることが出来そうな気がした。
「そう言ってもらえると嬉しいな。…梓のドレス姿楽しみ。」
そう言い微笑むと軽やかな足取りで教室へと向かった。