第17章 12月20日
12月も半ば。
もうすぐ冬休みに入ろうとする頃、私はいつもと変わらぬ学校生活を送っていた。征十郎の隣で授業をうけ昼はみんなで食事をする。
大きく変わったことはないが以前より征十郎といることが多くなった。
今までと変わらない気もしたが征十郎のことを意識し始めたからなのか彼と話す時間がとても大切なものに思えたからかもしれない。
「もーすぐ冬休みだねー。クリスマスにーお正月にー。楽しみー。」
食堂で敦がいつものゆるい口調で話し始める。
「お年玉貰ったら新しいバッシュ買いてーなー。」
「えー!この前買ったばっかじゃない!すぐそうやって無駄遣いするんだから!今年は大事に遣いなさい!」
相変わらず桃井は大輝のお世話係のようなポジションで仲睦まじく話している。
「梓は冬休みなにかすんの?」
チラッとこちらを向き話題をふる大輝。
『んー…とくに何かって予定はないけど。まぁ冬休みってあっという間だしケーキ食べてお雑煮食べるくらいじゃないかな?』
「梓ちん食べてばっかー。」
「人のこと言えないのだよ、紫原。だが部活に参加しないのならあまりオレたちとは会わなくなるな。」
『あまりって言っても二週間くらいでしょ。あっという間だよ。』
へへっと緑間のほうを向き笑うとまぁそうなのだが、と呟きクイっと眼鏡をあげていた。
「まぁ俺らも部活あるしあんまり遊んだりとかは出来ねーけど練習ない日連絡すっから空けとけよー?」
『あ、うん。でも大輝は遊ぶより先にちゃんと冬休みの宿題やるんだよ?』
「梓までさつきみてーなこと言うなよな。」
頭を掻きながらその視線は天を仰いでいた。