第15章 テスト週間
それで、と自分を指差しその指を桃井に向ける。
『私のアイスは桃井さんが奢って。』
「うん!勉強のお礼ね!」
笑ってそう言うと次は、と緑間を指差す。
『桃井さんのアイスを緑間くんが奢って緑間くんのアイスを征十郎が奢って征十郎のアイスを敦が奢って敦のアイスを大輝が奢って…うん!これでよし!』
「なにがこれでよし、なのだよ!意味がわからないのだよ。」
『征十郎に湯島天神の鉛筆あげたから征十郎は緑間くんに奢って敦はこの前ケーキの人形食べちゃったからごめんなさいで奢って大輝は鉛筆くれた征十郎のアイスを奢ってくれた敦に奢る!完璧!』
皆を指差し終わると私は親指を立て笑った。
「なんで俺は桃井に奢るのだよ?それに赤司の鉛筆はプレゼントなのだから奢ってもらうのは悪いのだよ。」
『女の子に優しくする!人事を尽くすのだよ、緑間くん!』
「俺もその輪に入れて欲しいからここは奢らせて欲しいな。」
緑間はむっとした表情を浮かべたが赤司がそう言うならとそれ以上はなにも言わなかった。やはり征十郎の一言は強かった。
「こいつらも一緒に帰るのかよ…。」
大輝がボソッとそう言ったのが聞こえたがそれは聞こえなかったことにした。
先ほどの不満そうな顔。なにか言いたそうな態度。ああそういうことか、とわかったが今この場で言うことではないと思ったからだ。
『じゃぁ部活のない日に決行ってことで。』
その日の昼休みは解散となった。