第15章 テスト週間
期末テストも終わり結果がかえってくる。総合上位三十名は廊下に名前が張り出されていた。
一位のところには当たり前のように“赤司征十郎”の名があった。驚いたのはその横に“水崎梓”と名前があったことだ。
中学一年の二学期末なのだから常識の範囲内なのかもしれないがやはり上位に名があるというのは気分がいいものだ。
さらに数個ずれると“緑間真太郎”の名前ものっていた。
だが今知りたいのはこの予想の出来た結果ではない。昼休みになりあの征十郎でさえお手上げだった食堂にいる問題児のもとへむかった。
「おー!遅かったなー。」
征十郎と二人でいつもより急いできたのだが問題児はすでにそこにいた。
「で、どうだったんだ、青峰。」
征十郎が口を開くと答えたのは桃井だった。
「ほんと、もうやだ。この黒いのに負けるとかほんとやだ……。」
「おいおい、さつきー。俺に負けたからって落ち込むなよー。な!俺に負けたくらいで!」
大輝が文末を強調しながらケラケラと笑う。そんなに桃井の結果が悪かったのか、自分の教え方が悪かったのか、ならば申し訳ないと思いごめんね。と謝った。
「違うの!梓ちゃんは悪くないのむしろ中間よりも順位はだいぶ上がってたし平均よりとれてるの……なのに…なのに青峰くんがっ!」
頭をゴンっと机にあてうなだれる桃井。
その発言に征十郎と二人まさかという目で大輝のほうをむく。
へへん、と勝ち誇った顔をした大輝がテストの結果のかかれた紙を差し出した。
征十郎が受け取りそれを二人でみると予想も出来なかった数字が並んでいた。
「……カンニングでもしたのか?」
征十郎もその数字が信じられないようで大輝に疑いの目を向ける。
「ッッしてねーよ!適当に答え書いて記号のとこは緑間の鉛筆転がしたんだよ。」
期末テストの範囲は広く問題数も多かったためどの科目も今回は記号問題が多かった気はしたのだが緑間の鉛筆にこれほどまでの効力があることに驚いた。
運も実力のうちとは言うが大輝においては勉強の実力はほぼゼロに等しいため運の偉大さを思い知った。