第15章 テスト週間
そして勉強会当日、放課後皆で歩いて我が家へと向かう。
征十郎や大輝などと帰ったことはあったがこうして皆で一緒に帰るのは初めてだ。大柄の男がまとまって三人もいると中学生に見えないほどの威圧感だった。
家に着くとすでに兄は帰ってきていてすでに夕食の支度をしていた。皆がお邪魔しますと家にあがり緑間と征十郎は律儀に手土産まで持参していた。
「いいにおーい。楓ちんなに作ってるのー?」
敦がバタバタとキッチンへはいり兄の横にべったりとくっつく。
「いらっしゃい、皆。敦くんも。今ごはん作ってるからとりあえずこれ食べててね。」
わーいと兄からお菓子を受け取り敦はリビングのテーブルに座った。
「よし、じゃあはじめようか。」
征十郎の一声でそれぞれの学力に応じて事前に昼に決めていたペアにわかれる。
一番頭のいい征十郎が大輝と、次に私と桃井、緑間と敦のペアだ。
征十郎ペアはダイニングテーブルで
残り四人はリビングテーブルでそれぞれ勉強を始める。
桃井は最初は出来なかったものの基礎さえキチンと分かればさほど教えように困ることはなかった。
「おい、紫原。菓子を食べた手でノートに触るな。油がつくのだよ!!」
「みどちんうるさいー。俺のノートだから別にいーじゃんー。」
隣にいるペアは敦は勉強が出来ないというわけではないので教えたりということはないものの性格上緑間が敦に手を妬いていた。
「……っだぁぁ!!おい梓、赤司と代われ!」
大輝がテーブルにうっ伏しながらこちらに助けを求める。
『征十郎なら大輝にもわかりやすく教えてくれるでしょ?』
授業中わからないことがあって征十郎に聞くことがあったが征十郎の教え方はとてもわかりやすいものだった。
「赤司が何言ってっかさっぱしわかんねー。日本語ですらねーよ。」
「梓、俺にも青峰を教えるのはなかなか苦戦しそうだ。」
征十郎は困った顔をし腕を組む。
「この問題解けなかったら基礎練倍とか脅してくるんだぜ、こいつ!なぁさつきー赤司と梓交換しよーぜー。」
「えー梓ちゃんの教え方わかりやすいからこのままがいい!青峰くんクラスは赤司くんにビシバシ教えてもらうくらいがちょうどいいよ!」
『征十郎、もうちょっと頑張って!』
彼にエールを送りまた桃井のノートに目を戻した。