第15章 テスト週間
「そういや梓、赤司のプレゼント何買ったんだ?」
『んー…内緒。大輝には教えなーい。』
特に内緒にする意味はないのだが先ほどのヤキモキとした気持ちがまだ完全には消えていなかったため、少し意地悪をしたくなった。
「別に減るもんじゃねぇんだし、そんくらい教えろよ。」
『ダメでーす。教えませーん。』
「…んだよ。ケチ。」
帰り道何人かの通行人とすれ違う。その人たちから見たらこんなにべったり歩いている私たちはカップルにしか見えないだろう。実際付き合ってはいないのだがバカップルと呼ばれてもいいと思えるくらい今大輝を一人占め出来ているのがうれしかった。
そんな時間もあっという間で私の家の前まで到着してしまう。
『送ってくれてありがとね。』
「おー……あ、これ。」
マフラーを外し私の首に巻いていく。
『もう家だから巻かなくても大丈夫なのに…』
と言いながら顔を上げると
チュッと唇にキスをされた。
唇が離れいきなりのことに驚いた私が固まっていると
「……じゃあな!また明日な!」
と大輝はマフラーを巻き終えそれだけ言い走っていってしまう。
キスをされたのは別に始めてではないにもかかわらずすごくドキドキしている自分がいた。そして見えなくなるまで彼の姿を見つめていた。
彼がいなくなるとやはり寂しいという感情が私の中には残った。
『ただいまー。』
と家の中に入りリビングに入る。
「おかえり。…どこか寄ってきたの?」
私の手荷物を見て兄が反応した。
『うん。あ、ねぇお兄ちゃん。明後日なんだけどうちで皆で勉強会するんだけどいい?』
「皆ってバスケ部の子たち?」
『そうそう。』
私が答えると兄は少し嬉しそうに大歓迎!と返してきた。
『それでね、征十郎が誕生日近いからサプライズでお祝いしようってことになって…』
「それなら俺なんかご馳走つくるよ。みんなその日そのまま夕飯食べていけばいいし。」
『とんでもない量つくらないと足りなそうだね。』
二人してあれやこれやとメニューを考えながらサプライズが成功することを楽しみに過ごした。