第15章 テスト週間
勉強をしてから数時間がたった。
桃井が苦手な分野から攻めていき暗記科目以外の教科はある程度教えることが出来た。
緑間ペアも一区切りついているようだった。敦に関しては勉強中何度も兄の元へいきお菓子をねだっていた。
征十郎ペアのほうをむくと大輝がもうダメだ、と力尽きた向かいで征十郎が
「最善は尽くしたつもりだ…俺にもこれ以上は無理だよ。」
と軽く頭を抱えている。
『じゃあ、勉強終わりにしてごはんにしよっか。』
「おっしゃーーーー!めしだーー!!」
先ほどまで命からがらだった大輝がその言葉に反応し元気良く立ち上がる。
「はーい、じゃあリビングの方のテーブル片付けてねー。」
兄に言われ敦がいつもより倍のスピードで動きテーブルの上を片付ける。そしてテーブルの前を陣取り料理が運ばれてくるのを待つ。
その横に大輝もどかっと座る。
「少しは手伝いをするのだよ。働かざるもの食うべからず、なのだよ。」
「みどちんが働いた分、俺が食べればいーからだいじょーぶだよー。」
「じゃぁ俺は梓が働いた分食うわ。」
「…な!」
二人は動く様子もないが大男が動いては逆に邪魔になるのでそのままでいてもらった。
テーブルに兄の作った料理の数々が並ぶ。
いただきますの声と同時にそのテーブルの料理に大男二人ががっついた。
「んめー!梓の兄ちゃんの料理久々だけどやっぱうめーなー!」
「俺、楓ちんのグラタン超すきー。」
二人は夢中になって兄の料理を食べていた。
二人を除いた残りの四人も圧倒されながらも兄の料理を楽しんだ。
食事も終わり机の上を片付けるとお茶を入れにと私は席をたった。
キッチンに入ると兄が私の後に入ってきて冷蔵庫に入れてあったそれを取り出してくれた。