第15章 テスト週間
大輝が食べ終わるのを待ちそろそろ帰ろうとショッピングモールを後にした。
ショッピングモールから大輝、桃井の家は近く彼らの家まではあっという間についた。
「梓ちゃん帰り道わかる?」
『うん!大丈夫だよ。』
休みの日などに暇つぶしの散歩で何度か来たことのある道だったため迷うことなく帰れそうだった。じゃあね、と二人に手を振り自分の家へとむかう。
(征十郎喜んでくれるかな…?…帰ったらお兄ちゃんに皆来ること伝えないとな。)
そんなことを考えながら歩いていると
「おい!梓!」
と後ろから呼ばれる。振り返るとジャージ姿の大輝が小走りで私のところまできて横に並ぶ。
「…送ってく。」
『え、いいよ。遠いし。』
「いいから!!行くぞ!」
と私の手を掴み歩き出した。
「部活ねぇから、身体なまりそうで帰り走って身体動かしたいから気にすんな。」
それなら…と掴まれている手を恋人つなぎに繋ぎ直す。
「…やっぱもうさみぃな。梓の手あったけぇ。…なんか久々だな、こーゆーの。」
へへへ、と笑う大輝。
あの雨の日以来、二人きりになることはなかった。大輝が身体をぶるぶるっとさせる。
私は一旦手をほどき、自分の首に巻いていたマフラーを大輝の首にかけた。
『…ジャージ寒そう。これしてていいよ。』
「いや、そしたらお前がさみぃだろ?」
『大丈夫。大輝にくっついとくから。』
そう言ってまた手を繋ぎ身体を寄せもう一方の手で彼の腕に抱きついた。大輝が少し照れた様子を見せたがスッと前を向きまた歩き出す。