第15章 テスト週間
その日の放課後、部活がない為征十郎に一緒に帰ろうと誘われたが断った。
「誰かと一緒に帰るのか?」
『うん、桃井さんと。』
「…珍しいな。」
『ほら、女の子同士でしか行けないお店とかあるでしょ?そこいこうと思って。うちお兄ちゃんしかいないからそういうとこってあんまり行ったことないって今日お昼に話してて。』
征十郎は腑に落ちない様子だったがあまりしつこく誘うこともせず明日一緒に帰るという約束をし話は終わった。
征十郎を先に帰らせ昇降口へ向かうとすでに桃井の姿があった。大輝も一緒だ。
お昼に話したあと桃井と今日プレゼントを買いにいこうという話になった。桃井と帰るというのは嘘ではないが征十郎の誘いを断ったのはそれが本当の理由だった。
敦と緑間が何を用意するかはわからなかったがちゃんと用意はするだろうと思った。ただ大輝に関しては不安材料満載すぎるため一緒に連れていこうということになったのだ。
大輝、桃井、私と並んで学校から少し離れたショッピングモールへと向かう。
途中大輝がお腹が空いた、というのでコンビニにより串に刺さったから揚げを買いそれを歩きながら食べていた。
その食べ終わった串をちょっと先にあったゴミ箱に捨てにいき戻ってくると先ほどまで桃井の横を歩いていた大輝が今度は私の横へと移動した。
横を歩いてくれることで少し嬉しい気持ちになった。やはり桃井への嫉妬心は消えておらずこんな小さなことにも喜んでしまう自分がいた。
何を買おうかと相談しているうちにあっという間にショッピングモールについた。
複合施設のため色々なお店が中に入っている。適当にブラブラしながらなにかいいものを探そうということになり店内を見て回る。