第15章 テスト週間
『それなら明後日にしようよ。その曜日だったらお兄ちゃんもいつもより早く帰ってくるし。』
「なら、そうしようか。…っともうこんな時間か。すまない。虹村さんと今朝の話の続きをする約束があって、ちょっといってくるよ。」
と言って征十郎が席をたった。
私は心の中でナイス!と思った。
征十郎の姿が見えなくなるのを確認すると頭がいいとか悪いとかの話で盛り上がっている皆にねぇねぇと話しかけた。
『あのさ…まだ早いかもだけどさ…征十郎もうすぐ誕生日だよね?どうせならサプライズでお祝いしない?みんな部活あって中々こういうのってできないからさ。』
バスケ部の部活は遅くまでやっていて居残り練習まで含めるとかなり遅い時間までやっている。
待っていてもいいのだが夜の8時9時になるとさすがに一瞬集まってすぐ解散という形になってしまう。それでは少しさびしい気がした。
だがこのテスト週間中なら夕方から皆で集まることができ本来の目的の勉強の時間は減ることになるのだがある程度の時間は使うことができる。
まだ12月頭で征十郎の誕生日は20日。早い気もしたがバスケ部の予定がわからない私には部の活動がないのでちょうどいいのではないかなと思いこの計画を考えた。
「おっ!いーじゃん!顔面ケーキしようぜ、顔面ケーキ。」
うちに来るとは言ったが勉強のしたくない大輝はやる気満々だ。
「えー赤ちん誕生日なのー?ケーキ楽しみー!俺チョコのやつがいいなー!」
敦も乗り気だが敦らしく目的はズレている。
「勉強会もしっかりするのだよ。ただチームメイトの誕生日だ。やはり人事を尽くさなくてはな。」
納得してくれるか一番心配だった緑間が意外にも同意してくれるようで一安心した。
「じゃぁ私ケーキ作っちゃおうかな!」
「「「「それはやめろ(て)」」」」
「ひどーーい!!」
桃井の料理スキルのヒドさは皆重々承知で満場一致で否決された。
その後話は進み明後日までに各自プレゼントを用意しようということになった。
あと征十郎には絶対バレないようにと伝えその日の昼食の集まりは解散になった。
こうして勉強会プラス征十郎のサプライズバースデーパーティーの計画はたてられた。