第15章 テスト週間
『部活なくなっても敦とか大輝は勉強しなさそうだよね。緑間くんは“日頃から人事を尽くしてる俺には焦って勉強する必要などないのだよ”とか言いそう。』
眼鏡をあげる緑間の真似をしながら話すと征十郎に笑われた。
「緑間は心配ないし、まぁ紫原もある程度は勉強が出来るとして青峰に関しては少し不安だね。追試になったら部活には遅れての参加になるし、青峰の場合合格出来ずにいつまでも追試が続きそうだからね。もしかしたら冬休みまで続くかもね。」
征十郎は笑いながら話すが大輝ならあり得るな、と思った。
『それならさ…』
一つ名案が浮かんだ。
『…部活なくて早く帰れるならうちで皆で勉強会しない?お兄ちゃんも皆に会いたいって言ってたし…。』
征十郎は少し考えながらも
「皆の都合がよければそれもいいかもね。俺も久々に楓さんと話がしたいし。」
と答えてくれた。
昼になり食堂で先ほど征十郎としていた話を皆にする。
「梓ちんの家でー?いくいくー!楓ちんのくれるお菓子ちょーおいしいしー。」
「は?勉強?んなもんやらなくてもテストなんてどーにかなるだろ。」
「それで今までどうにかなったことがあった?青峰くん前のテストで何回追試になって部に迷惑かけたと思ってるの?!」
「そういう桃井も追試だっただろ。日頃からちゃんとしていれば追試などにはならないのだよ。そもそもテスト前になって焦って勉強するのが間違いなのだよ。」
と各々言いたいことを言っていてちゃんと返事を返してくれたのは敦だけだった。
桃井への嫉妬はまだあるものの別に嫌いというわけではない。唯一学校で普通に話せる女友達だ。大事にはしたい。彼女の学力も知っていたため誘ってみた。
『じゃぁ来るのは征十郎と敦ってことでいい?』
話がどんどんズレていく為とりあえず話をまとめる。
「ちょ!おい!いかねーなんて言ってねーだろ?行くよ、行く行く。」
「私も!青峰くんには負けたくないもん!赤司くんに教えてもらったら満点とれちゃいそうだし!」
「お…俺も行くのだよ。紫原のことを見張ってないと菓子ばかり食べていそうだからな。」
「えーみどちんそれなら来なくていーよー。俺お菓子食べたいしー。」
また皆が自分の言いたいことを言い始める。相変わらず賑やかだなと思いながら結局全員参加という形になった。