第15章 テスト週間
月曜になり学校へと向かう道のり。
私がここに来てから一ヶ月以上が過ぎもう12月の頭になっていた。
朝晩は冷え、シャツにブレザーで充分だったものが今は中にカーディガンを着込み首元にはマフラーを巻いている。
季節は変わったものの私のクラスでの状況はあまり変化はしていなかった。
最初は友達がいないことに焦ったが困るのはなにかグループで行う授業のみでそれも授業の一環であるからあまっていれば先生が対応してくれる。
征十郎との一件もあったから男子生徒とはあれ以来仲が深まることはなかった。
なにより女子生徒が面倒であった。
征十郎や大輝などとよく一緒にいる私が気に食わないようで一度私に聞こえるように悪口を言われたことがあった。
「記憶ないとか嘘じゃないの?赤司様にかまってほしいからってウザいよね。」と。
征十郎はバスケ部の副部長で勉強も出来誰にでも優しい。そんな彼のことに恋心を抱いている女子は少なくはないはずだ。大輝にいたっても強豪バスケ部で一年生だというのにレギュラーというポジションだ。顔も別に悪くはない。ある程度はもてはやされるだろう。
そんな彼らに囲まれた私に対しての嫉妬からくる悪口なのだが私にはどうでもいいものであった。
正直中学生の悪口など可愛いものだと思っていたし害を加えてくるわけではない。
彼女たちにこちらから媚を売って仲良くするなど面倒くさいこと以外の何物でもなかった。
「おはよう、梓。」
いつも通りの時間に登校し席に座っているといつも先に席についている征十郎が私よりあとに教室に入ってきた。
『おはよー。今日遅いね。』
「今日からテスト週間に入るからね。練習が出来なくなるから今日の朝練がテスト前の最後の練習だったんだ。テスト明けのことを虹村さんと色々話していたら遅くなってしまってね。」
征十郎曰く、テスト週間というのは期末テストの5日前から部活動は活動禁止になりその変わり勉強しなさい、というものだった。