第7章 I want to be you
朝食を食べて涼は自宅に帰る。
「昨日から色々とありがとうございました。楽しかったです!」
「涼ちゃんまだゆっくりしてて良かったのに。また遊びに来てね!」
「はい。またお邪魔させて頂きます!」
玄関先で青根の母が涼を見送っていると
青根もやって来た。
「……涼、また後で。」
「う、うん!また後でね!部屋片付けておくから。」
涼は手を振り青根の母にはペコリと頭を下げて帰っていった。
涼が帰った後
青根の母は部屋に戻ろうとした青根のシャツを掴み引き止めた。
「…………母さん何?」
「何って、あなた涼ちゃんの家に行くの?
……さては昨晩涼ちゃんと何かあったわね~!」
明らかにニヤニヤしている母を見て
青根は見透かされてるようで視線を逸らした。
「ねぇ、母さんにも教えてよ~」
しつこく聞いてくる母に青根は少し困ったが
独り言のようにポツリと話し出した。
「…………俺は……涼の事が好きだ……」
それだけ言って青根は部屋に行ってしまった。
あら!それじゃあ二人とも両思いだったって事!?
涼ちゃん良かったわね!
私も嬉しいわ~♪
青根の母は嬉しそうに鼻唄を歌いながら食器を洗っていると暫くして青根が着替えて戻ってきた。
「…………母さんこれから出掛けてくる。」
「あれ?もう涼ちゃん家に行くの?」
「……涼の家には午後から行く。
これからまどかの家に行ってくる。」
「…………まどかちゃん家に?
そう、行ってらっしゃい。」
母の言葉に青根はコクりと頷き出掛けて行った。
朝っぱらからまどかちゃん家に何の用だったのかしら?
青根の母は少し疑問に思い首を傾げていた。