第7章 I want to be you
涼が部屋に入ると青根がベットの近くに布団を敷いていた。
「青根くんごめんね、迷惑かけちゃって。」
「……いや、迷惑じゃない。むしろ母さんが強引で悪かった。」
「強引だなんて思ってないから!
青根くんのお母さん喋りやすくて優しくて私の理想のお母さんだよ。」
「………母さんが聞いたら喜ぶよ。涼はベットで寝るといい。こっちは布団が硬いから。」
「あ、うん!ありがと。」
暫くして青根は机に向かい宿題を始める。
涼は暫くテレビを見ていたのだがつまらなくなったのか部屋をキョロキョロと見回し始めた。
「青根くん、これ見ていい?」
涼は本棚から小学校の卒業アルバムを取りだし青根に見せた。
「………ああ。」
青根は短い返事をしながらこくりと頷いた。
涼は青根の写真を捜しながらゆっくりアルバムを捲っていく。
あっ、青根くん居た!
フフッあんまり変わってないし。
もうこの頃から結構背が高かったんだね~。
涼は青根のクラス写真を見つけ嬉しそうにしていると見覚えがある女の子が写っていた。
……まどかだ。
6年の時一緒のクラスだったんだね。
……やっぱり可愛いな。
…………青根くんはこの頃からまどかの事好きだったんだよね。
…………私はまどかに勝てっこない。
青根くんの心を奪う事なんて出来ないよ……。
涼はグッと胸を締め付けられ
頬には涙が伝っていた。
……アルバムなんて見なきゃよかったな。
涼はまた溢れ出そうになる涙を堪えながらアルバムを閉じた。