第7章 I want to be you
「ふふっ、涼ちゃん可愛い!
高伸の彼女には勿体ないくらいよ!」
涼の反応を見て青根の母は嬉しそうに話した。
「!か、彼女だなんて無理です!
それに…青根くんはまだまどかの事が……。」
「そっか、まどかちゃんか。
失恋したのにまだ想ってるのね。
…………じゃあさ、涼ちゃんが高伸の心奪っちゃえばいいのよ!」
「へっ!?む、無理です!青根くんの心を奪うだなんて!」
「何も行動起こしてないのに無理だとか言っちゃだめよー。涼ちゃんなら高伸の失恋の傷癒してあげれると思ってるのよ?だから頑張って!」
「はっ、はい……」
涼は青根の母に励まされコクリと頷くと
青根の母は「そうだ!」と思い立った様に
手を合わせて話し出した。
「涼ちゃん、今日はお泊まり決定ね!」
「へっ?お、お泊まりですか!?」
青根の母の突然の提案に涼は固まる。
「そう!もしかして明日都合悪いかな?」
「あっ、いえ…バイトも休みなので予定もありませんが……」
「なら問題ないわね!お布団は後で高伸の部屋に運んであげるから!」
「えっ!?ちょっとそれは……」
涼は無理だと伝えようとしたが
青根の母は勝手に決めてキッチンに戻っていった。
どうしよう、泊まりだなんて……
しかも青根くんの部屋で寝るの!?
……本気でヤバイかも……
涼は想像してしまい頬を赤らめたがすぐに冷静になる。
はっ、ダメダメ。
このまま赤い顔してたら青根くんにまた心配させちゃう。
戻って来るまでに落ち着かせなきゃ!
涼はなるべく余計な事を考えないようにと
テレビを観ながら平常心を保った。