第5章 にろちゃんは遊び人!?〈中編〉
にろちゃんとキスできるかなぁ。
トーコちゃんはにろちゃんが歌ってる時で
黄金くんが部屋に居ないときがチャンスだって言ってたけど……。
ヒナは二口に寄り添いながらそんな事を考えていた。
みんな一曲づつ歌い終わり
二口がマイクを持った所でトーコが黄金川に話しかけた。
「黄金くん、悪いんだけどみんなのドリンクのおかわりお願い出来るかな?あとソフトクリームも食べたいなっ♪」
これは黄金川を部屋から出させる作戦だった。
「あっはい!ソフトクリームも全員分持ってきます!」
黄金川はすぐに空になったグラスを持って部屋を出ていった。
トーコは黄金川が部屋から出ていたのを確認したらすぐにヒナに¨今がチャンス!¨とアピールするかのようにウインクした。
ヒナはトーコにコクンと頷いて
一度深呼吸してからカラオケの映像を見ながら歌っている二口の腕を思いっきり引っ張った。
急に腕を引っ張られた二口は驚いて
ヒナの方を向く。
ヒナは振り向いた二口の首に手を回し
そのまま近付きキスをした。
二口はいきなりの事で頭が真っ白になる。
えっ……俺、何でこいつとキスしてんの?
状況を把握してヒナを退かしたのは
キスされて10秒後の事だった。
「お前何やってんだよ!」
二口は口を拭いヒナに怒鳴った。
「……だって…最後に、にろちゃんとの思い出欲しかったんだもん……。」
「にろ、そんなに怒鳴る事ないじゃん!
ヒナとは前にもキスした事あるんでしょ?」
「そういう問題じゃねぇ!
俺には彼女が居んの!……あーもう、いい!お前はもう近寄るな!」
「……にろちゃん、ごめんね。」
二口に近寄るなと言われたヒナはシュンとして距離を置いた。
暫くして黄金川が部屋に戻ってくる。
二口に寄り添って甘えていたヒナが距離を置いていたのを見て黄金川は何かあったんすかね?と一人不思議そうにしていた。