第5章 にろちゃんは遊び人!?〈中編〉
一時間のカラオケも終わり駅に向かう。
「じゃあ私たちこっちの電車だから!
バイバイ!」
トーコとヒナが手を振ると二口は手を振ることなく自分の乗る電車のホームへと向かう。
黄金川はペコッと頭を下げて軽く手を振ると
慌てて二口の後を追った。
「二口先輩、待ってくださいよー!」
黄金川は追いかけるが二口は無視するかのようにスタスタと歩いていた。
俺、何かしたかな?怒ってる感じだし……
つか二口先輩カラオケの途中から全く喋ってないような気がする……。
「二口先輩、さっきから険しい顔してるっすよ?カラオケ店で何かありました?」
「…………お前には関係ない。」
二口はそれだけ言ってまた黙ってしまった。
関係ないって言われても凄い気になるんっすけど……。
黄金川は二口が黙ってしまったのでこれ以上聞くことはしなかった。
二口は黄金川と別れ自宅へと帰る。
……やっぱカラオケなんて行くんじゃ無かった。
警戒してなかった俺は大馬鹿者だ……。
……まどかごめん。
二口は自らした行為ではないのに
まどかに対して罪悪感で一杯になっていた。