第4章 Battle4 ライバル登場
「――ってことは、自由な見た目になれるのか?」
「う、うん。そういうゲームなの」
「恵ちゃん、僕はなんとも思ってないよ。だから、顔を上げなよ?」
「う、うん……。ありがとう。でも顔の熱が引かない」
顔が熱い。
こんな状態になるなんて、知らないよ。
っていうか姉さんとは、ただの仲良しだって思ってた……。
「セレナが大会に出た時、そこの黒髪のお兄さんがセレナなんだ……、って皆目を輝かせて見てたのよ」
「……あぁ、だから裏切り者って言われたの!?」
「確実に、そうだね」
あちゃー、さっきの女の子に悪いことしちゃったなぁ。
みっちゃんの見た目を借りて、僕も相手を騙してたってことになるんだ。
まぁ、みっちゃんみたいなイケメンになりたくて、一人称も真似したんだけどね……。
「彼氏に浮気された時さー、幸せになって、綺麗になって見返してやりなよって言われて。頭撫でながら、言ってくれて。ほんっとにかっこよかったなぁ……」
「恵ちゃん、誤りなよ……。流石に、これは酷いと思うよ?」
みっちゃんが引きつって笑ってる。
姉さんの目線が、ずっとみっちゃんだからね……。
まだ嘘だって心のなかで思い続けてる証拠だ。
「ご、ごめんね、姉さん」