第3章 Battle3 まず、生活の基盤を整えよう
いきなりだったから、外用の性格を作ってなくて、素が出ちゃった。
それよりも、指紋認証システムのせいで、ID解約するまでBloody Maryの情報が出ちゃうんだ……。
なんか、厄介だなぁ。
「それでは、セレナーデさん。優勝者おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
商品の肉を受け取って、僕らは会場から逃げるように立ち去った。
だって、セレナーデが出てきちゃうなんて知らなかったんだもん。
「恵ちゃんって、有名な人だったんだねー」
「うん、前のゲームのデータをそのまま使ってるって言ってたよね?」
「あー、それか? 俺はわからなくて、聞き流してた」
「さっきの大会は、Bloody Maryっていう別なゲームの大会システムを使ってた。で、今回のイベントは、新しく始まる水没庭園ってゲームの宣伝イベント」
「ってことは、恵はそのブラなんちゃらで有名だったのか?」
「うん、そこそこ有名だったよ」
「ほー、そりゃ驚いた! 通りでよく知ってたんだな」
「――まぁ、僕の知識が全てじゃないっていうことが、実証された戦いだったけどね。僕も、まだまだ修行が足りないってことかな」