第3章 Battle3 まず、生活の基盤を整えよう
「グスッ……、ありがとうございました……」
「あ、は、はい……。げ、元気だしてね……」
「はい……」
女の人は、化粧がぐちゃぐちゃになったまま外に出ていく。
あの感じ、浮気だったとは知らなかったんだ。
さっきまで、あんなに幸せそうだったのに……。
あの浮気男め、離婚されて一文無しになってしまえばいいのに。
僕は、ため息をつくと化粧の手直しを再開する。
ちゃちゃっと済ませて、その場で貰ったミュールに履き替える。
壊れちゃっとミュールより子供っぽいデザインだけど、しょうがない。
僕は、もっとエレガントな白いミュールが良かったのに。
まぁ、ないよりましか。
準備をしてトイレを出ると、さっきの夫婦はまだ喧嘩してる。
って、女の人も一緒だ。
ひたすら泣いてて、なんだかなぁ。
「ぐすっ……、遊びだなんて……」
その時、何かがプツンと切れた。