第3章 Battle3 まず、生活の基盤を整えよう
「部外者の癖に、どきな!!」
「部外者はお前だ。コイツは、俺のツレだ」
すると、女の人は驚いたように、私を見つめる。
「あ、あれ……、だって……」
「ばっかじゃないの? アンタの旦那が、僕を見た。それだけで、勝手に勘違いしたんでしょ」
「だって、アンタが首を左右に振ったんでしょ!?」
「否定したのに、勝手に勘違いしてばっかみたい」
すると、後ろから警備員の人が走ってきた。
「大丈夫ですか?」
「いや、ちょこっと怪我しちゃって。腕もちょっとひねっちゃって」
本当のところは、怪我もない無傷だ。
でも、怪我っていうことにしとく。
「……そうですか、ちょっとついてきて貰えません?」
「お断りします。もう、その人の顔は見たくないんで」
「申し訳ございません、すぐ連れて行きますので……」
僕に掴みかかってきた奥さんは、連れて行かれる。
その顔は、未だに僕を疑ってるようだ。
――でも、ちょっとスリリングで楽しかったかも。
少しだけ、笑みが溢れる。
こんな感覚、久々だ……。