第21章 ただいま現世
僕は、ご飯を食べ終えた後水無月デパートに出発することにした。
――と言っても、ご飯前に予約しといたから、食べ終わったら飛行機に乗り込むだけだよ。
そう思ってたら、なんと飛行機の中には先客が居た。
水無月デパートの社長だ。
「やぁ、柊様! 一週間ぶんのチケットを頂きましてね。今日から一週間、お世話になりますよ!」
「あれ、そうなんですか」
今日は、珍しく息子さん以外に、奥さんと娘さんも一緒だ。
どうやら、家族全員ぶんのチケットが手に入るくらい、買い物をしたらしい。
しかも、シェフ同伴ときた。
あ、そうそう。
ここは、シェフを連れてこないと、ロビタの料理になるからね。
ロビタは世話をするぶんにはいいんだけど、料理は並だから。
ここは、やっぱり人間の料理人には勝てないよ。
だって、ロボットってご飯食べれないから、味見できないのさ。
「いやぁ、頻繁に来られるようになって、嬉しいです!」
「貴方、新しいリゾート用のチケットは残してあるんでしょうねぇ?」
「もちろんだとも!」
「そんなこと言って、どうせすぐ使っちゃうんでしょ?」
「使わんとも」
「使わなくても、僕らが増やしてますから」
そうそう。
ここ最近、普通のデパートには行ってない。
だって、みっちゃんが食材に拘る派だからなかなか行かないんだ。
あそこにも、いい物は売ってあるんだけどなぁ。