第21章 ただいま現世
吸血鬼王はラスボス的存在だから、他パーティーの力を借りるとしても、中心となる僕らが弱くては話にならない。
後、僕のプライドも許さない。
「う、うーん。とっておきたいんだけど……」
「この鉱石一つで、Lv二倍まで上げても、まだ余るくらいの素材が採れるんだよ?」
そう。
いつだって、最高レベルの素材は高い。
――しかし、それがキャップ開放され、また新たな装備が出れば、一気に値段は暴落する。
高い時に売らなきゃいけないんだ。
「ギルドを作れば、人数を気にせずパーティーが組める。レベル差だって、関係なくなるよ?」
「本当?」
「うん。格段に弱い相手を養殖しやすくなる」
「そ、それなら……、売っちゃおうかなぁ」
僕とパーティーが組める、ということで、みっちゃんは素材を諦めてくれた。
こうして、僕らは僕がソロ時代の頃の素材含めて、殆どを売り出すために下界へ出かけることにした。