第21章 ただいま現世
なんていうか、攻撃の手が多いおかげで、なんとかこちらが押してる。
でも、これでは普通に地上で狩りしたほうが早い気もする。
それくらい、僕らの攻撃はしょぼいのだ。
「皆、これ終わったらギルドハウス作りの材料を取りに行かない?」
「えぇ? 早く、セレナちゃんと組みたいんだけど……」
「だって、これじゃ拉致があかないよ」
「――確かに、この頃効率が悪いな」
NPC装備のせいだ。
実の所、消耗品以外にスキルは全然上がってない。
消耗品は、どんなレベルでも地面で落ちる石が材料だから、一番上がりやすいんだ。
だから、ここでもポーションだけは全部作ることができる。
一応、余ったポーションを全て売り、得たお金で素材を買ってコツコツlv上げはしてるよ?
でも、なかなかLvカンストまで追いつかないのさ。
なんていうか、こんな感じで1匹1匹を倒す量と経験値が凄いから、レベルの上がりはまぁまぁいいけど、数を倒さないから採れる素材も少ない。
だから、貴重な素材を売ろうと言ったんだけどね。
「みっちゃん、やっぱり素材を全て売ろう。高い今の時期にやり取りすべきじゃない?」
運がいいことに、なかなか他種族でも7大になれそうな人は僕ら以外いないんだ。
なんていうか、NPCのゴタゴタを解決しようと思うのは、僕らだけらしい。
今は、胴田貫パーティーが僕らに変わり、吸血鬼以外との結束を強め、団結させる段階まできた。
でも、圧倒的な問題があるんだ。
そう、僕らがいつまでもレベルに拘り、装備を疎かにするから仲間陣営のNPCも、自分達も強くなれないんだ。