第20章 過去へ……
魚を取った帰り道だった。
先頭を歩いてた燭台切が、ピタっと止まるのさ。
「燭台切?」
「ねぇ、姫鶴ちゃん」
「うん?」
「余所余所しいから、できれば光忠って呼んでほしいんだけど……?」
カッコつかない、じゃなくて余所余所しい、か……。
僕が自然と出してる話しかけるなオーラを察知したんだろう。
雰囲気的にも余所余所しいからね。
「うん、わかった」
「じゃ、呼んでみて?」
「やだ」
「えー、なんで?」
「用もないのに呼ばないよ。それより、行こう?」
まだ、僕は彼の呼び方を躊躇してる。
光忠って呼ぶべきか、みっちゃんって呼ぶべきか……。
その日、魚をいっぱい取って帰った僕らを見て、保護者組が悔しがった。
どうやら、自分達も行きたかった、という現れらしい。
明日は、皆で魚とりかな?