第20章 過去へ……
僕は、あれから毎日街へ遊びに出かける。
だって、やることないんだもん。
町の中だと、この前茶器を売ってくれたお爺さんの店で、呼び込みするだけでお金がもらえるんだ。
そのお金で毎日団子を買うのさ。
「ひいさま、何処へお出かけですか?」
そうそう。
五虎ちゃんは、お掃除を任されてるんだ。
後、あんまり外に出かける用事は言いつけられない。
何故か、毎回そういうお使いは僕が行くからね。
つい最近は、遠出だってするようになったよ。
「街に出かけるんだよ」
「何か、お使いですか?」
「ううん、違うよ。お手伝いすると、お金がもらえるの。一緒行く?」
「お邪魔じゃ、ないでしょうか……?」
五虎ちゃん、行きたそうだけどまだ仲良くないせいか、何処かぎこちないなぁ。
そういえば、仲良くなることを忘れて、毎日街へ行ってたもんね。
「ううん、そんなことないよ? 一緒行こう」
「はいっ……」
五虎ちゃんが、嬉しそうにほっぺたを赤くして笑った。
懐かしい、あの笑顔だ。