第20章 過去へ……
僕は、ご飯が作れないから掃除を任されていた。
早く終るように、と集中して庭を掃除してた。
でも、後ろからも庭を掃除する音が聞こえてくるんだ。
――あれ。
僕は、とりあえず庭を一周したから、綺麗にゴミをまとめる。
すると、すぐ後ろから燭台切がゴミをまとめる。
明らかに、燭台切のほうがゴミが多い。
――あれ、どういうこと?
「もう、君は良いよ。残りは僕一人でやるから」
* * *
僕は、やることがなくて廊下で折り紙を折って遊んでた。
だって、この世って遊ぶことがなくてつまんない。
そろそろ、絵の練習でも始めようかなぁ?
「Hey,暇そうだな」
「うん、やることが終わったんだ」
「追い出されたの間違いだろ?」
何のことやら……。
きちんと、掃除はしましたよ?
「そうだな。ちぃとばかし、おつかいを頼まれてくれないか?」
「いいよ、買い物好きだし」
僕は、そうしてお金を託された。
伊達は、謙信様みたいにお小遣いはくれない。
ケチだ。
「それじゃ、頼んだぜ」
「――うん」
こうして、僕は伊達の変わりに茶器を仕入れに行く。
あーあ、茶器なんててきとーなお茶碗でいいじゃん。
このお金でいっぱいお菓子を買いたい。
――でもなぁ、僕は謙信様の誇り高き刀。
命令は絶対だ。
こうして、お店につく。
ここは、有名な茶器を扱うお店らしい。
いっぱい置いてあるけど、どれがいいかさっぱりわかんないよ。
とりあえず、壊さないようにしないとね?
「あの、伊達政宗のお使い出来ました」
「おぉ、綺麗なお嬢さんだね。ほら、これだよ」
「わぁ、綺麗な茶器ですね!!」
「ははは、わかるか?」
「はい……!」
こうやって、持ち上げるのは商売の基本だよ。
できるだけ、感動してるように見せかけるのさ。
「気に入ってくれたか、嬉しいなぁ。少しまけてやろう」
「わぁー、おじさん優しいんですね! 目利きも上手だなんて、凄いです!」
「へへっ、そ、そうか? 特別に、この茶器もおまけしよう!」
「わー、ありがとうございます! 政宗公もお喜びになられますよ!」
チッ、これ以上まけられないのか。
仕方ない、おじさんも生活かかってるしね。