第20章 過去へ……
戦場に行く途中、ずっと考えてた。
僕をここに呼んでくれた声は、『歴史修正主義者』だったんじゃないかって。
僕は、敵側に心を売ったんだ。
でも、いいや。
だって、どうせあの本丸でも、僕の居場所はない。
でも、ここは違う。
かすがちゃんも、謙信様も、五虎ちゃんも、皆、皆、僕を仲間と見てくれるんだ。
それに、皆で楽しく団子を食べた。
その時、皆本当に嬉しそうな顔をしてた。
――あの本丸のような、キツイ顔は誰一人してない。
本当の僕の居場所は、ここだったんだ。
「謙信様、絶対お守りします」
「ふふふ、きたいしてますよ」
運命を、変えてみせるさ。
僕は、そのためにこの時代にやって来た。
もう、刀剣の仲間なんて知るもんか。
だって、僕の仲間は上杉軍だもん。
――あの本丸に、僕の仲間は居ないんだ。
なのに、なんで後ろめたさを感じるのだろう?
なんで、寂しく感じるのだろう?
こんなに楽しいんだから、さっさと忘れちゃえばいいのに……。