第20章 過去へ……
僕は、城に帰ってきた。
団子を持ち帰ると、謙信様がお茶を点ててくれた。
かすがちゃんは、目をキラキラと輝かせている。
これは、確実に『謙信様のお茶が飲める』という喜びだろう。
「はい、どうぞ」
「けけけけ、謙信さまぁぁぁぁぁぁぁぁ」
背景に薔薇が咲いた。
リアルでもこんなことあるって、本当に笑っちゃうよね。
まぁ、かすがちゃんも謙信様も嬉しそうで、何よりだ。
今日の戦も頑張って、ずっとこんな平和な日々を続けよう。
「美味しいです、謙信様」
「流石です、謙信様ッ!!」
「団子とよく合いますね」
「ふふふ、ありがとうございます。こんななごやかなひは、ひさびさですね」
「そうですね! こんな日がずっと続けばいいのに」
嬉しそうに、謙信様とかすがちゃんが笑ってる。
――でも、僕は思い出しちゃったんだ。
この後の、展開を。
僕は、上杉謙信を守れない。