第20章 過去へ……
気がつけば、僕は眠っていたようだ。
当たりを見渡せば、立派なお城に見える。
外に出てみると、そこは見晴らしのいい天守閣だと理解した。
「ひめつる、どうしましたか?」
「へっ?」
後ろを振り向けば、男か女か性別がよくわからない人が居た。
その人は、見覚えがある。
戦国BASARAの上杉謙信だ。
「いくさまえで、ふあんになりましたか?」
「ううん、そんなことないですよ。僕、今日も体調バッチリです」
「――そうですか? どこか、ふんいきもかわったな……」
「たぶん、ゴミと間違えて捨てちゃったんだと思います」
「そうですか。こんどからは、すてないようにね」
「はい、謙信様」
よくわかんないけど、どうやら僕はBASARAの世界にタイムトリップしたみたい。
――そういえば、朧気ながら覚えてる、あの声は何だったんだろう?
過去をやり直したいか聞く声……。
「なにか、かんがえごとですか?」
「えぇと、お菓子が食べたいなって」
まぁ、そんなことは考えてないよ。
てきとーに流しただけ。
「そうですか。ごこたいとともに、だんごでもかってきなさい。おこずかいをあげましょう」
おぉ、お小遣いゲット!!
やったー、これで買えるだけ買ってこよう!
「ありがとうございます、謙信様。五虎ちゃんは何処に居るんですか?」
「かすがとともにいるでしょう」
「はい、謙信様」