第19章 徐々に変わってくる
「正義(ジャスティス)様ー、新しい装備のご用意が出来ました!!」
「うん、ありがとう!」
本当は、他種族の村に行かないとなんだけど、ちょっと精神的にキツイ。
だから、ラファエルさんたちに任せてる。
だって、下手に下界に降りて鉢合わせなんて嫌だしね。
「さ、準備ができたら、もう一度行こう!」
「はい、わかりました!」
すーっと通り過ぎる時、心配そうに見つめるウリエルさんの視線に気づく。
でも、僕はあえて気付かないことにした。
今は、精一杯忘れることにしたから。
でも、逃げててもゲームを止めれば、嫌でも彼奴等に会うのか。
あぁ、嫌になる……。
「さ、次はここです。異常スキルを使ってきますが、正義(ジャスティス)様がいらっしゃれば、大丈夫でしょう!」
「あはは、頑張るよ」
次々と飛んでくる魔法を掻い潜りながら、僕は前衛の天使中心に魔法をかけていく。
そうそう。
ここで修行したから、僕は強化魔法を覚えた。
最初は、すぐ切らしてしまうことも多かったよ。
でも、戦っていくうちに、僕は自然と切らさないように体で時間を図る事を覚えた。
戦っている時は、本当の自分に戻れた気がするんだ。
楽しい、楽しいね。
あぁ、このまま嫌なことは忘れてしまいたい。