第3章 Battle3 まず、生活の基盤を整えよう
嬉しそうに、野菜コーナーへ向かっていたみっちゃんは、ちょっと寂しそうだった。
そして、エスカレーター近くに到着。
辺りを見渡すと、人だかりができている。
「……あの中か」
倶利伽羅は、すっと目を細めると、人混みをかき分け始める。
結構慣れているらしく、すいすい進んでいく。
「大丈夫かな?」
「まぁ、くりちゃんだから大丈夫だよ」
暫くして、首根っこを掴まれた鶴丸と、回収に成功した倶利伽羅が戻ってくる。
「あの人混みは、何だったかわかった?」
「あぁ、なにか食べ物を無料で配ってた」
「へぇー、僕も食べたかったなぁ」
「あー、試食コーナーか」
僕も行こうとするけど、なかなか近づけない。
諦めよっかなーって思ってると、倶利伽羅が腕を掴んで歩き出した。
結構、倶利伽羅って面倒見がいいんだな……。