第17章 和睦
その後、僕は被害者ウリエルさんに正座しながら謝罪中。
「――いや、なんていうか、その場を切り抜けるためとは言え、ウリエル様の気持ちを言って、無闇に煽ったこと、ごめんなさい」
「いいのよ。吸血鬼王には、昔から攫われたりして、厄介な相手だったのよ」
「――それより、俺の治療をしてくれないか?」
ごめん、MPすっからかん。
異性の体液飲むってなにそれ苦行。
よって、自然治癒頑張って。
「そうですか……。何度も起きている事件なら、そろそろ本気で対策を練らないと……」
「そうね……。もっと、兵を強化しなくては」
ウリエルさんも、なんかあらぬ方向を見てる。
あえて、ミカエルと目を合わせないようにしてるぞ……?
「それより、他種族と友好を深め、本格的に吸血鬼王の命を狙ったほうがいいのでは?」
「――貴方に、お願いしてよろしいかしら?」
「はい、お任せ下さい」
「か、回復してくれ……」
がしっ、とミカエルさんが僕を掴む。
そんな目で見ないで。
できるもんなら、してあげたいよ。
「――僕、もうMPないんで。ウリエル様は?」
「ごめんなさいね。7大天使の中で治癒術を使えるのは、貴方だけなのよ」
わぁー、自然治癒頑張ってー!!
「でも、このままではいけないわ」
「えぇっ、なら他の天使は?」
「ここに居る天使は、ほとんど倒されてしまったの」
うわぁ、元は自分のせいとはいえ、流石に異性のソレを飲むのって。
ここに居る男で出せるような人は、ミカエルオンリー……。
恋人の目の前で出来ませんよー!!
「MPポットとか、置いてないですか?」
「ごめんなさい、さっきの戦いで使い切っちゃって……」
うわぁ、わざわざ回復のためにみっちゃんか鶴丸を呼んでくるの?
でも、それって自殺行為じゃない?
その時だった。
「――おい、無事か!?」
悪魔の呼声に聞こえた。