第17章 和睦
振り向けば、奴が居た。
黒い肌に、腕には中の刺青。
髪茶色く肩まである髪。
そして、背中には黒い悪魔の翼。
――大倶利伽羅だ。
よく考えれば、飛べるのは鶴丸と倶利伽羅と同田貫。
そして、淫魔は毛嫌いされてる。
同田貫は、まだLv1。
そうなると、動きやすいのは倶利伽羅だ。
「あ、どうにか終わったんだけど、回復が必要でさ。体力回復ポットとかない?」
「はぁ? 自分で回復しろ」
「MPすっからかんなんですー!!」
「MP回復は……、あ、あぁ……」
そこで、窮地に陥ってることを理解してもらえたようだ。
「ウリエルは?」
「ごめんなさいね、私魔法苦手なの」
「他の天使は?」
「皆、倒れてしまって……」
倶利伽羅と、お互いの視線が絡み合う。
がしり、と腕を掴まれたが僕は横に首を振る。
「元はお前の責任だろ?」
「でもさぁ、嫌なのは嫌だよ」
「なら、どうするんだ? こんな重病人置いて行くのか?」
「そ、それは……」
「腹をくくったらどうだ?」