第17章 和睦
どうやら、「夜しか活動できない」という設定は、「制限なしで」活動できるのが「夜だけ」という意味らしい。
最初から、引っ掛けるための文章だったんだろう。
だって、何処にも「昼間は動けない」なんて書いてないもんね。
具体的に、昼間動くとどうなるかを書いてない時点で可笑しかったんだ。
うーん、でもなんか煮え切らない。
騙された気分だー。
「セレナーデ、これからどうする?」
「もちろん、一期さん迎えに行って、天界行くけどって、あ、鶴丸里帰りするときついんだよね」
「――あー、色々とな?」
淫魔だからねぇ、ウリエルさんが嫌がりそう。
「えーと、それじゃ僕だけ行くから、他の皆一期さんと合流よろしく」
「無理しないでね」
僕らは、こうしてふた手にわかれた。
その後、女王の城に吸血鬼が入っていくのが見え、門前払いされてた。
どうやら、頑張って急いでよかったそうだ。
そうして、僕はぐんぐんと空を飛び、里帰りをした。
天使の里は、いつもの新人さんが居らず、殺伐とした風景が漂っている。
――少々、嫌な気配がする。
慌てて、全能神のところへ行くと、その途中で次々と倒れている天使を見かけた。
そうして、嫌な気配を感じながらも王宮の扉を開く。
すると、そこには……。