第17章 和睦
「わざと、ルシファー様を怒らせるような真似をして、部下と捕らえさせたんです。性行為を強要してたのも、全て吸血鬼王の息の掛かった悪魔でしょう」
「嘘だ、そんなの、デタラメに決まってる!!」
「嘘だと思うなら、今すぐ天界へ来ますか? 今現在、ウリエル様を巡って、ミカエル様と吸血鬼王様が戦っておいでですよ」
「そ、そんな……。妾は、何のために頑張ったというの……?」
力が無くなったように、女王は倒れてしまう。
っていうか、女王の秘部から精液が流れ出てる……。
出ないように、頑張ってたんだ。
な、なんか、色々気を使わせてごめんなさい。
「――だがしかし、ウリエルを一番とし、彼女が嘆き悲しむような真似を滅多にしないルシファーのあの行動。お前らのおかげで、つっかかりが取れたよ」
「ならば、妾たちは踊らされていたのですね……」
「あぁ、そういうことになる」
でもなぁ、簡単に吸血鬼が捕らえられたのも、なんか理解できる気がする。
だって、吸血鬼って夜なら悪魔以上の能力を持つんでしょ?
それなのに、吸血鬼王は真っ昼間からピンピンしてたよ?
「吸血鬼というのは、昼間は動けないのでは?」
「いや、普通に動けるぞ。力が悪魔程度になるだけだ」
「それって、捕まえるの無理じゃ……?」
「よく考えれば、可笑しいことだったな」
どうやら、吸血鬼は魔族最強種族らしい。
それなのに、ルシファー率いる悪魔のほうが強くなってて、気に入らなくて今回の犯行を行った。
これが、動機かな?
それにしても、そのせいで淫魔族は仲違いして、不憫な立ち位置だなぁ。