第17章 和睦
その途中で、『何を忘れたか』に気がついた。
一期さんだ……。
で、でも、早くサキュバスの城に行かないと……、厄介なことになっちゃう。
僕は、できるだけトラゴンを飛ばしてサキュバス城へ向かった。
付いた時、サキュバスたちは満面の笑みで迎えてくれたから、どうやら間に合ったようだ。
「女王様、女王様はいらっしゃいますかー!?」
僕は、いつも案内してくれる係の人の言うことを聞かずに、ずんずんと女王の居る部屋へと急ぐ。
「お、お待ち下さい。今現在、インキュバス王と面会中でして……」
「時間がないのです!」
早く、援軍に行かないと、ウリエルさんが攫われちゃうよ!!
「通しなさい」
「ははっ」
僕らの異変を察知したようで、サキュバス城の門が開いた。
そこには、性行為中のインキュバス王とサキュバス女王が……。
あ、はい。
だから、止められたのね。
な、なんていうか、ごめんなさい。
「どうしたのです?」
「吸血鬼族が捕まったのは、全て罠です」
「どういうことなの!?」
「全ては、ウリエル様を手に入れるための吸血鬼王の罠です」
「あの吸血鬼王が……? どういうことだ」
どうやら、淫魔と吸血鬼は仲がいいらしい。
遠くでリンゴをかじってたインキュバス王が、すっ飛んできた。