第16章 審神者の帰還
「すいませぇぇーん、VIPのたまり場知りませんかぁぁぁー?」
「あ、さっき集まってるところ見ましたよ?」
「ど、何処ですか!?」
目撃情報があったとして、全員を連れ戻す。
相手の子は、猫ビースト。
どうやら、吸血鬼事件のせいで、吸血鬼から猫ビーストに作り直ししたらしい。
そのことを、聞かなくてもあっちが語ってくれた。
それで、解決したから丁度また作りなおして吸血鬼に戻るところだとか。
聞かなくても、勝手に教えてくれた。
そういうわけで、聞かなくても色々情報を教えてもらえて、正直疲れながらも到着した。
僕をみると、凄い嫌そうな顔をするVIPども。
「はーいはい、VIPの天使族集合ー。全能神からありがたーいご褒美がありますよー?」
「強制?」
「もちろん。全員集合させてくれると、手間が省ける」
「嫌な予感がするなぁ」
「気のせいだよー、さ。集めて集めて」
そうして、30分以上立った頃、一般人と会話することを毛嫌うVIPをどうにか全員集合させ、そして見送った。
連れて行くのは、ラファエルさんだ。
「結局、何もらえるん?」
「悪魔種族への強制リフォーム」
驚いてるVIP諸君に、今後一切の天使使用を禁止するとの全能神のお言葉を授けた。
すると、実行犯の一部は黙ってログアウトしていった。
どうやら、VIPは内部分裂を初めたようだ。
口々に吸血鬼事件実行犯をなじる会話が広がる。
やれ「尻拭いは自分でやれ」だの「つかえねー」だの散々のやじが飛ばされた。
そして、まだ残ってた実行犯を見ると、なんだか胸がスカッとしてくる。
友達に見放されることが、彼への最大の嫌がらせに通じるんだろう。