第16章 審神者の帰還
「はい、通報完了。暫くしたら、君らが違法か僕らが悪いかわかるから」
「ハァ? マジサイテー!!」
ギャルっぽい子たちは、ぎゃんぎゃんと騒ぎながら走って逃げていく。
僕は、そんな後ろ姿を見ながらヒールをかけてた。
あぁ、魔力って貴重なのに……。
「羽が12枚に増えるって、大変だねぇ」
「――本当にね」
その後、何度か聞きこみをする間、何度も何度も羽に触ろうとする人が居た。
おかげで、ずっとみっちゃんが見張ってる形になった。
なんていうか、7大天使になるのって、本当にご褒美なんだろうか?
そうそう。
その最中、さっきのギャルたちが警察服を来た人達に事情聴取されてた。
内容は、僕へのPK行為だ。
やれ「動いてるのを確認しなかったんですか?」とか「盗もうとしたのも、犯罪ですよね?」とか「聞けばよかったのでは?」とかその他色々。
聞かれてる質問には「マジウザい」とか「アンタに関係ないし!!」だけで答えるもんだから、違法と認められてドナドナされてった。
一部始終をずっと見てたから、逮捕される前にギャルが僕を見つけて、ぎゃんぎゃん騒いでた。
内容は聞き取れなかった。
遠かったせいだね。
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、はい」
「なんか、人生に疲れた顔してますよ?」
「アハハハハ……」
それだけ、僕の羽を狙う人が多いってことだよ。
今度全能神に会ったら、天使全員に羽のこと話してもらわなくちゃ。
一気に話せる方法はないのかな?
そうでもしないと、僕の今後の人生は危ういぞ……。