第16章 審神者の帰還
そういうことで、僕らは地上に戻ってお仕事開始。
あ、そうそう。
一期さんはビーストのシーフがいいから、作りなおしてくるってさ。
いいよ、いいよ。
僕らは、その間に彼らのたまり場を調べるさ。
実はね、VIPって何処か集合場所みたいな場所を決める習性があるのさ。
現在、鶴丸が現実に戻って、そのたまり場を捜索中。
それで、僕らは聞きこみをしてるところ。
「ねぇ、そこのお姉さん。VIPギルド見なかった? できれば天使」
「さっきまで、そこでPKしてたよー」
「そっか、ありがとうね」
またねーと手を振った時だった。
背中に鋭い痛みを感じる。
「キャッ!!」
「恵ちゃん!?」
「チッ、お前ぶっ殺すぞ!!」
半泣き状態で後ろをみたら、天使の女の子が3名。
基本アヒル口みたいな三人だ。
「えぇー、マジ怖いんですけどー?」
「女の子にマジサイテー」
「こわぁーい」
僕は、溜息をつく。
「怖いのは君らだよ。町中でPKしかけてくるって、どういうこと? マナー違反で運営に通報するから」
「はぁ? してないし」
「バーカ」
「あぁ、そう。じゃあ、なんで羽に攻撃しかけたの?」
「はぁ? 攻撃してないし。装備欲しかっただけだし」
ケラケラ笑ってる間に、そそくさと通報。
内容は、詳しく『羽を狙って、町中でPKしてきました』と書いておく。