第16章 審神者の帰還
現在、僕らはリアル世界に居る。
お昼を食べようと、ログアウトしたんだ。
「あ、優ちゃん」
「姉ちゃん、ゲームどうだった?」
「どうだった? じゃないよ! 種族間戦争に巻き込まれそうになったんだよ!」
「あー、ただのセックスゲームじゃつまらないから、リアル感を出したんだ」
どうやら、あれもシステムで作られた行動らしい。
でもさぁ、ちょっと複雑な気持ちだったよ。
「今後の予定は、全部ゲーム内プレイヤーの行動で決まるから、まぁ頑張れ」
頑張れってさぁ、君……。
いや、でもリアル感があってのめり込みそうなのは、確かだ。
ストーリー形式のVRMMOも、なかなか楽しいかも。
「ひいさま、ゲーム楽しかったですか?」
小首を傾げて聞いてくるのは、五虎ちゃんだ。
相変わらず可愛いなぁ、もう!
「楽しかったけど、種族の問題を解決しなくちゃだから、けっこう大変だよー」
「お手伝い、しましょうか?」
アハハー、可愛いけどあの破廉恥なサキュバスさんに会わせるわけにはいかない。
「ごめんねー、短刀には刺激が強すぎるから」
「そう、ですか……」
しょぼん、とする五虎ちゃん。
その瞬間、粟田口保護者の目がキツイよー。