第16章 審神者の帰還
その後、十分レベルが上った僕らは、サキュバスさんからお城に呼ばれた。
そこは、サキュバスの里らしく、様々なサキュバスが試験を受けていた。
皆、楽しそうに会話してる。
どうやら、βテストが始まったらしい。
そして、ほとんどの確率で指を差されたりガン見されるから、居心地が悪い。
「こちらです」
通されたのは、またもやおっぱいおっぴろげなサキュバスさん。
むしろ、下のほうもほぼ丸見えな服を着てる。
――いや、むしろこれ服着てるの?
ほぼ全裸な姿だ。
「ようこそ、いらっしゃいました。話は、この者から聞いております」
「あぁ、それで僕らに何のようかな?」
「直球で申し訳ないのですが……、子供たちの訓練をお願いしたいのです。――どうも、この頃インキュバスの動きが怪しくなり、インキュバスと本格的に縁を切ろうという声が広まっております」
「でもさ、それ元々君らが悪魔族に尻尾を振ったせいだよね?」
サキュバスの女王らしき人は、それを聞くと顔をしかめる。
でも、それは何処か寂しげだ。
苦渋の選択だったんだろう。
「そうでもしなければ、吸血鬼のように、我らサキュバスもまた、悪魔の家畜にされてしまうのです」
そんなに、悪魔の力は凄いのかな?
「――そういえば、俺がゲームを初めたばかりの頃、吸血鬼の女を自由にしていい、と差し出されたな」
倶利伽羅の顔が曇ってる。
自分の種族のことだもん、当然きついよね。
「そうですか……。彼ら吸血鬼族は、血を与えられなければ死んでしまうから……」
そうか、大切な胃袋を狙われてるんだ。
なんか、複雑だな。
「ゲームを開始するプレイヤー側の吸血鬼は、どうなるんです?」
「皆、吸血鬼を助けだすように、遠い彼の地から冒険に繰り出すようですね」