第16章 審神者の帰還
後で、皆と話し合いながら決めていかないと。
一応、固定パーティーだからね。
静かに僕らの話を聞いてたみっちゃんが、深々をため息をつく。
「たかが遊びだと思ってたけど、この世界にも、この世界なりの事情があるんだね」
「――うん、同じこと思った」
もしかすると、この水没庭園ってVRMMOは、種族間の争いを無くしたりすることもゲームの一種に入ってるのかもしれない。
でもなぁ、相手はあのミカエルさんのお兄さんでしょ?
なんだか、複雑だ。
ミカエルさん、あんなにいい人なのに。
「僕らが、この世界でしなきゃいけないことが、見えてきたよ」
「ただの、ゲームじゃないんだ。Bloody Maryとは違って、ゲームの中の住民にだって、生活があるんだ」
リアルだなぁ、このゲーム。
リアルすぎて、困っちゃう。
だって、勇者だって簡単に道筋は出来ていたし。
「歴史修正主義者みたいに、来る敵を追っ払えばいいわけじゃないからね」
どうやったら、全て丸く収まるか。
僕は、考えが上手くまとまらなかった。
ゲームなのに、ゲームじゃない。
ゲームなのに、攻略方法は一切ない。
迷宮みたいだ。