第14章 山姥切国広、無人島を買う
「恵ちゃん、恵ちゃん!?」
みっちゃんに肩を揺さぶられて気がついた。
「ね、誰と一緒に選びたい?」
「――その前に、昼ご飯を食べるんじゃ?」
「あ、そうだったね。とりあえず、昼食会場を調べよう」
そういうことで、不穏な気配は回避した。
って言っても、僕の隣に誰が座るかで、また人波乱ありそうだなぁ。
ハッキリ、無理だと伝えたほうがいいのかな?
正直、家の中でまた"あんなこと"されても、五虎ちゃんたちに悪い印象を与える。
――それが、どうしても嫌だ。
そんなことを考えてると、くいくいと服の裾を引っ張られる。
――誰だろう?
見下ろせば、五虎ちゃん。
どうやら、最初から構ってほしくて、ずっと近くにいたみたい。
なのに、全然気付かないから、ちょっと不安そうな表情になってるや。
僕は、五虎ちゃんを抱っこする。
「ごめんねー、今気づいた」
「いいんです」
抱っこすると、五虎ちゃんが満足そうに笑う。
やっぱ今剣くんも可愛いけど、僕には五虎ちゃんだよね!