第14章 山姥切国広、無人島を買う
僕は、さぁ、行こう!! と笑顔を取り繕う。
すると、ずっとニコニコと見つめてくる視線に気がついた。
三日月宗近だ。
なんていうか、この刀何考えてるかわかんないよね。
っていうのが、僕の第一印象。
食えない人だと思うよ。
「うーん、とりあえずくりちゃんと鶴丸くんは、ゲーム機を買ってきてよ。僕らは、皆の服を探すから」
「それなら、光忠。お前でもいいだろ?」
「――行くぞ、鶴丸」
「いや、俺は服を選ぶほうが好きだぜ」
なんか、雲行きが怪しいぞ?
あからさまに奪い合い? みたいなのをしてるし。
でも、正直嬉しいとは思わないんだよね。
そりゃ、この前は抵抗できなくてあんなことになった。
――なんか、思い出すだけで恥ずかしいな。
でもさ、なんていうか二人はイケメンだけど観賞用なんだ。
好きな相手とはわけが違う。
――すると、僕が好きな相手は誰だろう?
ふと考えると、頭のなかに広がるのは『赤月エル』。
年下の中学生で、クソ生意気で、古典的直結厨。
それでも、アイツの自信満々な笑顔とリーダーシップのある性格は、天才だと思う。
――だから、皆アイツに惹かれるんだ。
この感覚は、何なんだろう?
これが、恋なのかな……?