第14章 山姥切国広、無人島を買う
そうして、暫くすると少し離れた県にあるデパートに到着。
そのデパートは、西洋風な王宮の庭のような場所に、突如現れた豪華なビル。
場所は、人里離れた場所で、人にバレたくない客にもってこいだね。
「わぁー、きれいです!!」
「鬼ごっこしようぜ!!」
「駄目ですよ、買い物をしなくては」
短刀たちが、元気よく走りだした。
皆目を輝かせて庭の噴水ではしゃぎ回ってる。
水に濡れるのなんて、お構いなしって感じ。
もう、風邪引いても知らないぞ?
「銃は、売っちょらんのか……?」
「申し訳ございません、武器の仕入れはございません……」
何やら、陸奥は未だに元主のことを引きずってるようだ。
もうそろそろ、元主のことは忘れればいいのに。
私は、全然引きずってないよ!
いや、そもそも記憶自体忘れたのか。
「どいつもこいつも、刀を持ってない……」
「兼さん、僕らの時代は終わったのかな……?」
うわぁ、兼さんと堀川くん。
陸奥同様、表情が病んでる。
陸奥も、笑ってるんだけど、目が病んでる。
「写しの俺なんかが、こんな場所で買い物していいのか……?」
そして、病んでる本命山姥切。
君は、まぁ通常運転だよね。
でも、他のメンツが厄介だ。
「ほら、兼さん!! 僕ら刀剣や、元主たちが頑張ったから、こうして武器を持たなくていい日本があるんだしさ!」
「へへっ、そうに決まってらぁ!」
「そうだよね、兼さん!」
「そうそう!」
ヤのつく自由業が、未だに銃を持っていることは秘密にしよう。