第14章 山姥切国広、無人島を買う
そういえば、以前光忠が「あの子は、急に性格が変わった」とか言ってたな。
五虎退も、「一時期だけ、優しいひいさまになったことがあったんです。丁度、謙信様が打倒される日ですね」とか言ってたな。
それ以前は、どうやら五虎退も昔のお前は苦手な部類だったらしい。怒られるのが怖くて、いいなりになってたと言ってたな。どういう理由かは知らない。
だが、それはほんの一時期だけだったらしい。五虎退がお前に懐いてるのも、光忠がお前を好きなのも、全てその「一時期のお前」に性格が似てるんだと。
ぐーたらで、ヘラヘラとよく笑うくせに、怒ることが苦手で、しかも結構な浪費癖で、食べ物を食べきれないくらいまとめ買いする。でも、他人を卑下しないし、自分より他人のことを優先する寂しがり屋。
そんなやつだったらしい。
しかも、そいつの一人称は「僕」だ。理由なんざ知らない。
なんていうか、話を聞いただけじゃ一時期のお前と今のお前はそっくりすぎるんだ。この前のお前の買い物を見てたら、欲しいものは迷わずに買うし、必要無さそうなものでも「とりあえず」購入する。
しかし、それは食べ物限定だ。
今のお前も、好きなものは好きなだけ貯めこむ癖があるからな。